五郷・田野々地区は、かつて弘法大師の霊場として名をはせていました。寺の約2km東には、大師が米を洗ったという古跡もあります。その後、親鸞上人の教えを受けた藤田美多左衛門尉常清という鎌倉の人が、雲辺寺に登り七日間観音堂の霊前で祈りを捧げました。そして七日目の夜、枕元に一人の童子が現れて「この山に詣でたものは、必ずこの世の福徳がある。おまえは仏法有縁の地を求めて、後世の道を修めなさい。」と告げたのです。これは弥陀仏の言葉と、常清は喜び、数里はなれた谷間に入り、杖を止めて見ると山と山の間に荒れ果てた庵がありました。そこで、常清は童子に「あなたは誰であるか?」と、あらためて尋ねてみました。童子は「私は仏法保護者である。」と答えました。常清は「自分はこの庵を修理して、あなたの尊影を安置したい。」と言いますと、なんと童子は忽然として姿を消してしまったのです。常清は、童子は観音様の化身と確信して、昼夜ここで念仏を唱えました。この場所こそが、現在の法泉寺の本堂です。常清は正元元年(1259年)九月五日に亡くなりました。近くの鎌倉大明神の社に、常清は祀られています。
この寺の境内には、香川県の保存木に指定されている「ボダイジュ」や市の指定文化財(天然記念物)に指定されている「ラカンマキ」があります。「ボダイジュ」は、おしゃか様が悟りを開かれた木から名前がつけられ、夏に淡い黄色の香りの良い花をつけます。「ラカンマキ」は、青みのある緑色の葉で羅漢さんが衣をまとっている姿に似ているので、その名がつけられたと言われています。
また、ここは山間部で温度差が激しいせいか、晩秋にかけて見事な紅葉を見ることができます。自然豊かな風情あるお寺に、訪れてみませんか。
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