【ふるさと学芸館】「今月の一品」(令和3年8月)について
令和3年8月の「今月の一品」は・・・
今月の一品は・・・
「鳥たちの巣まい」
です!
「鳥たちの巣まい」・・・
『古事記』では、「住まい」は「巣まい」と記されています。
鳥は、雛を風雨や外敵から守り大切に大切に育てる場所として、環境や形状、素材を工夫して巣を作ります。
長く生活する「家」とは違い、巣立ちとともに使わなくなるものがほとんどですが、子育てをする場所として、昔の人は家と鳥の巣を同じイメージで見ていたようです。
「こういう空間なら安心できる」と、鳥たちの身体に染み込んでいるのでしょうか。誰かに習うわけでも、教わるわけでもなく作られた鳥の巣は、そのどれもが「その真ん中で雛の命を守りたい」という強い想いが込められているかのようです。
当館では、今月の一品として、暑さの厳しい時期に卵を産み、子育てをするヒヨドリの「巣まい」を展示しています。
人によく慣れ、飼い主を見分けることから、平安時代には貴族が好んで飼育していました。また、鳥たちは自分たちの力だけで巣を作ることから、繁栄や立身出世の象徴であり、幸運や金運が舞い込んでくるとも言われ、自宅に巣が作られると縁起が良いとされてきました。
当館2階の「自然科学の部屋」では、いろいろな生き物の巣をはじめ、植物や鉱物、珍しい化石などの資料を多数展示しています。
自然界の中に身を置き、その偉大さや素晴らしさを、ぜひ体感してみてください!