【ふるさと学芸館】「今月の一品」(令和4年5月)について
令和4年5月の「今月の一品」は・・・
今月の一品は・・・
・・・カメラ?
・・・、
「幻灯機(げんとうき)」
です!
宮沢賢治の物語「やまなし」や「雪渡り」に登場し、大事な役割を担っているのが「幻灯機」です。
幻灯機は、ガラス板に描かれた風景やフィルムなどに強い光を当て、凸レンズを通して前方の壁やスクリーンに拡大して映す映像投影装置です。
ドイツで発明され、暗い室内で幻のように映像を浮かび上がらせる灯という意味から、「マジック・ランタン」と呼ばれました。
日本では、その訳語の「幻灯」の名で普及し、明治時代から昭和時代前期ごろまで使われていました。
明治20年代には幻灯ブームもみられ、樋口一葉の小説「たけくらべ」には、子どもたちが仲間を集めて幻灯会を開こうとする様子が、日常的な遊びとして描かれており、この時期の幻灯人気の一端をうかがい知ることができます。
また、学校でも視聴覚教材として活用され、理科や社会科などの授業を理解するうえで必要となる視覚的なイメージを補っていました。
今月の一品では、文部省幻灯画並幻灯機規格(昭和16年)により、教材用として選定機となったモデルを紹介します。
テレビもなく、今よりもずっとずっと夜が深かった時代、日常の生活における大きな楽しみのひとつだったのではないでしょうか。
※古い機体ですので、常時の映写はしていません。ご興味がある方は、スタッフまでお声がけください。