【ふるさと学芸館】「今月の一品」(令和5年1月)について
令和5年1月の「今月の一品」は・・・
今月の一品は・・・
「スキー板・ストック」
です!
いよいよ、スキーやスケートをはじめとするウインタースポーツが楽しめる季節となりました。
「今月の一品」は、木製のスキー板と竹製のストックです。
このスキー板は、単板の木製で、合板の板に比べるとしなやかさに欠け、金属のエッジもつけられていないことから大正期に作られたものではないかと推測されます。
バイディング(靴の締具)は明治時代後期に外国で考案されたもので、つま先の金具とかかとを止める革のベルトが一体になっています。靴幅の調整も可能で、かかとも自由に動くので、野山の雪原を滑るのに適していたようです。
ストックは竹製で、滑りを助けたりバランスをとったりするために、やや長く作られています。
スキーが日本にやってきたのは明治時代後期で、当時のオーストリア=ハンガリー帝国の軍人「レルヒ少佐」による新潟県高田の青年将校たちへの指導から始まりました。この新潟県で初めて本格的に指導が行われた日を記念し、1月12日を「スキーの日」と制定されています。
レルヒ少佐から伝えられたのは、1本杖での滑走でしたが、1920年代前半には、現在のように2本杖で滑るように変化していきました。はるか昔、人類が雪の上を歩行するために生み出した知恵が、雪山での生活を一変させる魔法の道具となり、時を超えて私たちが楽しんでいるスポーツにつながっているのです。
当時の国産のスキー用具づくりには、家具職人や大工、鉄工所など、木工技術や金具の製造にたけた人々が挑戦したそうです。
技術国日本と呼ばれる技術の輝きをぜひご覧ください。
本年も、よろしくお願いします。