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【ふるさと学芸館】「今月の一品」(令和6年8月)について
令和6年8月の「今月の一品」は・・・
今月の一品は・・・
「伸子張り(しんしはり)」
です!
いよいよ、本格的な夏の到来です。昔は着る物を仕立て直して着続ける「洗い張り」という習慣があり、夏の風物詩になっていました。
日本の着物は、「汚れたらほどいて洗う」を基本とし、何度でも縫い直すことができるよう作られています。春になったらほどき、夏の間に洗い張りをし、秋から冬にかけて家中の着物を仕立て直し、どんな端切れも粗末にすることなく使い切っていました。
洗い張りには、木綿用の「板張り」と絹物用の「伸子張り」があります。今回は、「伸子張り」を紹介します。
まず、布の両端を「張り手」という枝で挟み、柱などにくくってピンと張ります。そして、布幅を均一に広げるため、竹ひごの両端に針のついた「伸子」を弓のように差し渡します。竹の弾力性を利用して布地に張りをもたせ、裏返して刷毛でのりを引いて干すという方法です。
ふるさと学芸館では、先人の手間ひまかけた暮らしから生まれた素晴らしい知恵を、これからもお伝えしていきたいと思います。