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【ふるさと学芸館】「今月の一品」(令和6年9月)について
令和6年9月の「今月の一品」は・・・
今月の一品は・・・
「蚊遣豚(かやりぶた)」
です!
みなさんはどのような蚊よけ対策を行っていますか。毎年、夏になると蚊の攻撃に悩まされますが、過ごしやすくなる秋の方が危険だといわれます。9月になっても、しばらく続けなくてはならないようです。
昔は、おがくず、小枝、落ち葉、乾燥させた草などを燻(いぶ)すことで蚊を追う「蚊遣(かやり)」が行われていました。江戸時代後期、都市部では、カヤを束ねた蚊遣木(かやりぎ)が売られており、その蚊遣木をたくのに用いた豚の形をした陶器が、「蚊遣豚」です。大きく開いた後部から蚊遣木を入れてたくと、前面の鼻や口から煙が出るようになっています。
明治時代になると、殺虫成分を含む除虫菊が原料の蚊取り線香が発明され、蚊遣豚の中で焚かれるようになりました。蚊取り線香は、蚊に抵抗力がつきにくい一定の有効成分を放出し続けます。鼻や口から漂う香りは変わっても、蚊遣豚は人々を蚊の攻撃から守り続けてくれました。
電動蚊取り器や虫除けスプレーなど、さまざまな製品があふれてる今、個性的な形の蚊遣豚から漂う香りに思いをはせてみませんか。