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【ふるさと学芸館】「あれやこれや」(令和7年6月)について
ふるさと学芸館「あれやこれや」 今月は・・・
「球状ノーライト」
です!
拝殿の屋根を覆い尽くすかのような日枝神社と安井菅原神社の大クス、樹体内に地蔵尊を抱く生木地蔵尊の大クスなど、観音寺市にはさまざまな天然記念物があります。その中で唯一、国の天然記念物に指定されているのが、円上島(まるがみじま)にある「球状ノーライト」です。
球状ノーライトは、約8500万年前にマグマが深い地中で冷えて固まるとき、熱や圧力によって、球状構造の結晶となったものです。その中には、直径8センチメートルにも達する大きなものもあるそうです。
白色の斜長石(しゃちょうせき)と紫色の紫蘇輝石(しそきせき)の織りなす模様が、菊の花に見えることから、「菊花石」とも呼ばれます。昭和9年に国から天然記念物の指定を受けたときにも「…其ノ密集セル部分ハ頗(スコブ)ル美觀(ビカン)ヲ呈(テイ)ス世界的ニ珍シキモノナリ」という記述があるほどです。
当館には、珍しい石であるエクロジャイトやタンパク石なども展示しています。鉱物や地形、地層は悠久の時を経て郷土を語ってくれます。ぜひご来館いただき、その「声」に耳を傾けられてはいかがでしょうか。