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【ふるさと学芸館】「あれやこれや」(令和7年8月)について
ふるさと学芸館「あれやこれや」 今月は・・・
「南海道」
です!
国道11号線の本大交差点から観音寺池・出作池間の堤防、日枝神社を通り、大野原町・豊浜町を縦貫して愛媛県へと続いていた「道」が、律令の世から千二百年近く存在していたことをご存じでしょうか。
それが、五畿七道(ごきしちどう)のひとつ「南海道」です。大和地方を中心とした畿内から、現在の三重県熊野地方、和歌山県、兵庫県淡路島と四国四県の国府(こくふ)を結ぶ駅路で、30里(約16キロメートル)ごとに駅を置き、各駅には駅馬が常備されていました。
香川県の駅としては、引田(東かがわ市)、松本(さぬき市)、三渓(みたに)(高松市)、河内(坂出市)、讃岐国府(坂出市)、甕井(みかい)(多度津町)と共に、市内の柞田にも置かれていたとされています。日枝神社の境内には「柞田駅」の表示もありますが、その辺りは、終戦後の農地整理によって条里地割が残っておらず、南海道の推定は困難でした。しかし、観音寺池・出作池間の堤防と、それ以東、以西の南海道ラインの延伸が合致することから推定に至ったようです。
(観音寺池・出作池 間の堤防)
そして、大野原町には、南海道を行きかった人々も目にしたであろうたくさんの古墳がありました。本館に展示している古墳に関する資料や出土品をご覧になって、往時に思いをはせていただけたらと思います。