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【ふるさと学芸館】「あれやこれや」(令和7年12月)について
ふるさと学芸館「あれやこれや」 今月は・・・
「書き入れ時」
です!
毎年十一月になると、酉(とり)の日(ことしは12日、24日)に「鷲(おおとり)」など鳥にゆかりのある寺社で酉の市が開かれています。そこでよく目にするのが、お面や小判、宝船、大入り袋などで飾られた熊手です。
本来は、福を「掻(か)き集める」ことを祈願したものですが、忙しい年末商戦とも相まって、商売繁盛の縁起物として注目されるようになりました。それ故に、この時期のことを「掻き入れ時」と表記するようになったともいわれています。
しかし、正しくは「書き入れ時」です。商家で使われていた帳簿の「大福帳(だいふくちょう)」に、顧客ごとの金銭出納(すいとう)の状況が、それこそ忙しく書き入れられていたことに由来します。
また、大福帳は、こんにゃくを使った特殊な防水加工が施されています。火災の時には、一番に持ち出し、井戸に放り込んで焼失を防いでいたといわれるほど大切なもので、今で言う「顧客ビッグデータ」の」ようなものではないでしょうか。
本館には、大福帳だけでなく、帳場を囲っていた「帳場格子(ごうし)」や金銭勘定をする際に使われた「五つ珠算盤(そろばん)」、金銭や大切な書類を保管していた鍵付の「銭箱」なども展示しています。是非ご覧ください。


