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10月25日、ハイスタッフホール大ホールで第11回観音寺音楽フェスティバルが開催され、約800人が一流音楽家の演奏とオペラを鑑賞しました。
今回出演したのは、弦楽器6人、ピアノ3人、フルート1人、歌2人の総勢12人の音楽家たち。いずれも、世界を舞台に第一線で活動しているアーティストばかりです。
バリトン歌手の大山大輔さんが進行を行いながら、ピアニストの沼沢淑音さんと萩原麻未さんの演奏からスタート。続いて、日本フルート界の第一人者である工藤重典さんとチェリストの横坂源さん、ピアニストの萩原麻未さんの三重奏。
さらに、バリトン歌手の大山さんによる日本語訳詞版の歌劇「電話」(メノッティ)を五十嵐薫子さんによるピアノの演奏で、ソプラノ歌手の藤井玲南さんとバリトン歌手の大山さんが公演。最後は、ヴァイオリニストの辻彩奈さんと外村理紗さん、ヴィオリストの安達真理さんと石田紗樹さん、チェリストの横坂源さんと清水詩織さんによる弦楽六重奏曲を披露しました。
高松市から訪れた男性は、「満足を超えて、涙が出るほど感動しています。クラシック音楽が大好きですが、今日はオペラまで聴くことができてうれしいです。ハイスタッフホールと観音寺市のファンになりました」と笑顔で話していました。
また、公演に先立ち、出演する音楽家が市内小中学校と支援学校を回り「はぐくみコンサート」を開催し、子どもたちと交流しました。
ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲 Op.56b
沼沢淑音・萩原麻未(ピアノ)
萩原麻未さんと沼沢淑音さんが2台ピアノで息ぴったりの演奏を披露。前回に続き、2回目の出演となる沼沢さんは市内に行きつけのお店や友人ができたことを紹介しました。
ハイドン:ピアノ三重奏曲 ト長調 Hob.XV:25「ジプシー風」
工藤重典(フルート)、横坂源(チェロ)、萩原麻未(ピアノ)
工藤重典さんは、はぐくみコンサートを振り返り、「中でも伊吹小中学校に行ったことが印象的」と語り、コンサートの合間に島巡りをしたことや、旅する蝶・アサギマダラが校庭に飛来し、児童が調査のためにチョウにマーキングをしているようすを見学するなどした思い出を紹介しました。
メノッティ:歌劇「電話」(日本語訳詞版/大山大輔)
藤井玲南(ソプラノ、)大山大輔(バリトン)、五十嵐薫子(ピアノ)
メノッティの歌劇「電話」は、コメディオペラ。ピアニストの五十嵐さんが黒電話に扮(ふん)した装いで演奏し、藤井さんと大山さんがユーモア溢れる演技と歌を披露すると、会場からは笑い声が起きていました。
チャイコフスキー:フィレンツェの思い出 Op.70
辻彩奈・外村理紗(ヴァイオリン)、安達真理・石田紗樹(ヴィオラ)、横坂源・清水詩織(チェロ)
辻彩奈さんは、「子どもたちがきらきらした目で演奏を聴いてくれて、こちらが思ってもいなかったような感想を言ってくれるのがうれしかった」と、はぐくみコンサートの思い出を振り返りました。
ふるさと(作曲:岡野貞一/作詞:高野辰之/編曲:直江香世子)
辻彩奈・外村理紗(ヴァイオリン)、安達真理・石田紗樹(ヴィオラ)、横坂源・清水詩織(チェロ)、工藤重典(フルート)、大山大輔(バリトン)、藤井玲南(ソプラノ)
アンコール曲では、弦楽6重奏に工藤さんのフルートが加わり、藤井さんと大山さんが唱歌「ふるさと」を歌いました。また、はぐくみコンサートを行った市内16校のうち、12の小中学校の代表者が、出演者に花束を贈呈し、感謝を伝えました。