本文
観音寺市では、認知症とともに暮らすためのめざすコンセプトを作成しました。「『わたしのまんまでいたいんや できる喜び、できる楽しみ、これからも』~きっと叶うよ みんながいるから~」です。
コンセプトの理解を深めてもらおうと、9月30日、ハイスタッフホールで認知症フォーラム2025を開催、市民や専門職など約400人が参加しました。
始めに、認知症本人大使として各地を回り活動する戸上守さんと戸上さんのケアマネジャーの吉川浩之さんが「認知症になってよかった」と題し講演。
次に、シンポジウムでは「できる喜び、できる楽しみを叶えるために」をテーマに戸上さんと吉川さん、観音寺市で暮らす認知症当事者やボランティアや介護事業所代表が意見交換しました。
最後は、コンセプトの実現のために「観音寺市がいい地域になるよう、みんなで頑張ろう」と会場が一つになりました。
参加者からは「認知症に対するイメージが変わった」「認知症本人の話を初めて聞いた」「認知症になるのは怖くないし、家族も楽しんでいいんだと元気が出た。本人の思いを理解して普通に接すればいいと分かった」などの声を聞くことができました。
戸上さんは「長く認知症になっているが、それほど悪くない。幸せに生きることができる」「温かく見守ってくれる人がいるので、仕事ができる」と話します。このことをみんなに伝えることが戸上さんの今の役割で原動力となっています。吉川さんは「治療や治すという手段をゴールにしないで、その人らしい生活を一緒に考え一緒につくる。そのためには『その人を知ることが大事』」と伝えます。
みんなで語ろう会の中田つや子さんと増田喜三さん、ボランティアの勝田愛子さん、介護事業所の今田亜美さんが登壇。戸上さんと吉川さんを加え、それぞれの活動を通して心掛けていることを話してくれました。
ボランティアの勝田愛子さんは「その人を知ること。思いを聞くことを意識して話をさせてもらっている。関わる人の笑顔を少しでも見ることができるよう今後も活動していきたい」と、介護事業所を代表して今田亜美さんは「その人の思いを丁寧に聞くこと、できる力を大切にし、喜びや楽しみを一緒に感じることを心掛けている。本人の思いを尊重し、地域とのつながりを大切にサポートしていきたい」と話します。
認知症当事者の中田さんや増田さんは「生きているだけで幸せ」「認知症になった人を助けてあげたい。『大丈夫だよ』と言ってあげたい」と話していました。